接骨院や整骨院を正しく利用しましょう
接骨院や整骨院を利用する前に ~安心な施術所を選びましょう~
接骨院等で健康保険の適用が認められているのは、「骨折、脱臼、打撲、捻挫、肉ばなれ(挫傷)」といった外傷性が明らかな、仕事や通勤に起因(※)しない負傷に限られています。肩こりなどの慢性的な症状や、スポーツ後のメンテナンスに健康保険は使えないのです。
しかし中には、肩こりなどの本来健康保険の適用にならない慢性疾患についても「ケガをしたことにして保険適用で施術」する接骨院が存在しているのです。また、「ついでに他の部位も」「ついでに付き添いの家族も」という「ついで」の施術に健康保険を適用する例もあります。もちろん、ケガをしたことにしているのです。実際、患者に「健康保険で安く施術するために、捻挫や打撲したことにしときますね」などと言ってくる接骨院もあるようです。こういった話が出たら疑問に思ってください。「得した」ではなく「不正に巻き込まれる」という危機感を持ってほしいのです。交通事故での施術による損害保険絡みの話ですが、実際に患者側に逮捕者(保険金詐欺)が出た事例もあります。
こういった不正に巻き込まれないためにも、利用する側は信頼できる接骨院等を知る必要があります。以下に、安心な接骨院等を選ぶ3つのポイントを載せますので、参考にしてください。
(※) | 仕事中や通勤途上での負傷については、労災での対応となります。健康保険は使えませんので、必ず事業主に報告してください。なお、仕事を含む日常の疲労の蓄積が原因の場合は労災も健康保険も適用になりません。整形外科などの医療機関を受診(保険適用)するか、接骨院等では自費で施術を受けることとなります。 |
安心な接骨院等を選ぶ3つのポイント
1)施術内容や料金について正しい説明がある
- 痛みの原因が外傷性か否かは、保健を適用するかの判断に用いられます。 痛みの原因を把握せずに施術が行われることはありません。
- 保険適用となる施術内容や料金は、厚生労働省の通知により定められています。保険適用となる施術料は、クーポン券や回数券などによる割引はありません。
- 保険適用となる施術をできるのは、国家資格を有した柔道整復師のみです。資格を持っていない者が行った施術では保険適用をすることはできません。
2)広告事項を正しく守っている
- 接骨院等の広告は、柔道整復師法で制限されています。看板や広告に表記できるのは、「柔道整復師であること」「氏名」「住所」「施術所の名称と所在地・電話番号」「施術日・施術時間」その他厚生労働大臣が指定する事項だけです。
- 「健康保険が使えます」などの表記は違法です。肩こり・腰痛・整体・カイロ・スポーツ障害の表記も違反です。接骨院は、看板に「骨盤矯正」「交通事故」などの表記はできません。
- よく見る施術所では、「接骨院」と「整骨院」という呼称がありますが、法令上で使用が許可されている名称は「接骨院」「ほねつぎ」です。つまり厳密にいうと「整骨院」と看板を挙げることは違法となります。現在は行政の判断で「整骨院」名称も認められていますが、今後新たに開設される施術所については禁止となる方向です。
3)領収書を必ず発行している
- 整骨院等で施術を行う柔道整復師は、患者に対して領収書を発行することが義務付けられています。領収書は施術を証明する大切なものなので、毎回きちんと受け取ってください。なお、接骨院等での費用も医療費照会サイトKOSMO Web>>で確認することができますので、自分が支払った実際の額と差異がないかも確認してください(施術所名称は「柔整」と表記されます)。
健康保険に水増し請求をするという不正を行う事例もあります。
怪しい医療費がありましたら健康保険組合までご報告ください。
長期間 接骨院や整骨院にかかっている方へ
健康保険を使っての施術は、原因がはっきりしている急性的なケガに限られています。
急性的なケガであるため、通常は3~6か月程度で治癒するのですが、中にはケガを繰り返していて何年も毎月通院している方もいます。治癒したと思ったら別の部位をケガし、そこが治ったと思ったら以前ケガした部位をまたケガするなどです。まずは、施術者にケガを繰り返さないためのアドバイスを聞いてみましょう。それでもケガを繰り返す場合は、慢性的な原因が隠れていたり、また内科的な要因が隠れている可能性があります。接骨院等ではレントゲンを撮ったり医療行為は行えないので、ケガを繰り返している方は一度医療機関を受診してください。
2024.07.03