胃部検査について

※健保補助は35歳(家族は40歳)以上の方で、健康診断のオプション検査で申し込んだ場合のみ(人間ドックは補助対象外)

Q1胃がんとは?
A1 胃がんは、胃壁の内側にある粘膜に発生します。
男性はおよそ10人に1人、女性はおよそ21人に1人が、一生のうちに胃がんと診断されています。(2019年データに基づく累積罹患リスク)
男性は27,196人、女性は14,428人の方が胃がんで亡くなっています。(2021年)
初期にはこれといった自覚症状がないことが多いため、検診を受けて早期に発見することが重要です。
Q22年に1度補助があるとのことですが、補助間隔は自分で判断しても良いのですか?
A2 いいえ。補助を受けられるのは、年度末時点で、【35歳以上(家族は40歳以上) かつ 奇数年齢】になる方です。今年度補助対象だが受けなかった場合、次の補助は2年後となります。(繰り越しという考えはありません)
Q3胃部検査は必ず受けなければならないのですか?
A3 胃部検査はオプション検査となり、オプション検査は任意の検査です。希望すれば(該当年齢の方は)無料で受けられるというものです。
国の指針では50歳以上の方は2年に1度受けることが望ましいとされています。どうしてもカメラやバリウムに抵抗があるかたは、有料(健保一部補助あり)ですがABC検査という血液検査で胃がんリスクを確認することが可能です(Q6参照)。
Q4過去にピロリ菌が陽性でした。除菌済みですが、2年に1度しか補助が無いのは不安なのですが…
A4胃部に問題を抱えている・また心配のある方については、毎年の健診で経過を見るのではなく、消化器内科などを受診し、主治医の先生にコントロールしてもらうのが良いと考えます。そのうえで、健保の補助のある年度は健診で胃部検査を受けて結果を主治医に提出、補助の無い年度は主治医と相談して必要に応じて保険適用で胃部検査を実施するなど、主治医と相談してみてはいかがでしょうか。
Q5胃がん検診のバリウム検査と胃カメラの特徴は?どちらを受けたらいいか迷っています。
A5 ◆まずは、各検査の特徴についてご案内します。
バリウム(胃部X線)検査
バリウムといった白い液体(造影剤)と胃を膨らませる発泡剤を飲んでレントゲン(X線)写真を撮り、胃のひだの状態や変形の有無などを調べます。胃がんは、発生すると胃壁に凹凸が出来るため、レントゲンで見つかりやすいがんです。
【メリット】
・短時間で検査できる(5〜10分程度)
・胃カメラと比較して予約が取りやすい
【デメリット】
・精度がやや低い(小さな病変や早期の胃がんは見逃されることがある)
・X線を使うので被ばくがある(問題のない範囲ですが、妊娠中は受けられません)
・バリウムの排出が大変(便秘になりやすい)
胃カメラ(胃部内視鏡)検査
胃に細いファイバースコープを挿入し患部を直接観察する方法です。最近は口からだけでなく、鼻から入れる方法もあります。喉や鼻に麻酔(スプレーやゼリータイプ)をして行います。
【メリット】
・粘膜の詳細な観察ができる(早期の胃がんやピロリ菌感染の有無も確認しやすい)
・組織を採取して病理検査ができる(がんの確定診断が可能)
・バリウムより精度が高い
【デメリット】
・喉を通すので不快感がある(鼻からの経鼻内視鏡なら少し楽)
・予約が取りづらい
◆これらの特徴からご自身に合った検診方法を選びましょう。
精度を重視するなら → 胃カメラ、
短時間で済ませたい、手軽に検査したいなら → バリウム
過去に胃がんやピロリ菌感染歴がある人、胃の不調がある人、強い便秘がある方 → 胃カメラ推奨
Q6ABC検査とは何ですか。
A6ABC検査とは胃がんのリスク(かかりやすさ)検査です。(胃がんそのものを発見する検査ではありません。)血液検査で、ピロリ菌といった胃炎や胃がんの原因になる細菌の感染有無と、胃粘膜の萎縮(老化)度を検査します。この2つの検査結果を組み合わせて、胃がんのリスクをA,B,C,Dの4群に分類します。なお、この検査は一生に一度で良いと言われています。ピロリ菌の感染は幼少期(4~5歳頃)がほとんどで、子供の頃に感染しなかった場合、大人になってから感染することは稀だといわれているためです。ピロリ菌の感染が陽性だった場合、薬で除菌することが可能です(消化器内科などを受診しましょう)。
Q7以前受けたABC検査の結果がA判定(一番良い)でした。それでも2年に1度受けた方が良いですか?
A7ABC検査の結果で胃部内視鏡(胃カメラ)を受ける目安は、
A判定:5年に1度補助
B判定:3年に1度補助
C判定:2年に1度補助
D判定/E判定:毎年補助
となります。そのため、この指標を元にご自身で胃部検査を受ける年度を決めても良いかと思います。ただし補助は2年に1度ですので、A判定の方は例えば4年ごとに1度受けるなど、ご自身で調整を行って下さい。いずれにしても、50歳以上の方は2年に1度受けることが望ましいとされています。
関連リンク
本人(被保険者)の健康診断・人間ドック
家族(被扶養者)の健康診断・人間ドック