子宮頸がん検査について

※健保補助は20歳以上(家族は40歳以上)の女性のみ。

Q1子宮頸がんとは?
A1 子宮は、胎児を育てる働きをする臓器です。子宮の下から3分の1、膣につながる部分を子宮頸部(けいぶ)と呼びます。子宮頸部の入り口のあたりに発生する事が最も多いがんです。通常、子宮頸がんは一定の時間をかけてゆっくりと増殖します。がんが発見される前の段階として、子宮頸部の組織にがんに進行する可能性がある細胞が増えていきます。これを異形成と呼びます。定期的に検診を受ければ、がんになる前の異形成の段階で見つけることが可能です。最近特に若年化が目立ち、20~30歳代で発生するケースが増えてきています。
子宮頸がんは、性交渉によって感染するヒトパピローマウイルス(HPV)が発がんと関係しています。最近は特に20歳代の若い女性に急激に増えています。また、妊娠・出産回数が多い人ほどかかりやすいといわれています。子宮頸がんの場合、初期には全く症状がないのが普通です。月経でない時の出血(不正性器出血)、臭いの強いおりものなどの典型的な症状は、ある程度病気が進行してから現れます。普通の婦人科の診察で容易に発見できるので、検査を受けることがとても大切です。
Q2子宮頸がん検診はどのようなものですか。
A2 まずは内診台という椅子(自動的に足を開く体勢に動きます)に座り、「内診」といった子宮や卵巣に腫れがないか、膣や頸管に異常がないかなどを医師が診察します。拡大鏡で子宮の入口表面を拡大して観察し、異常や病変がないか調べます。そして子宮の入口などの部分を綿棒でこすりとり、顕微鏡で細胞を調べる「細胞診」があります。検査自体は5分程度とすぐに終わります。婦人科検診は、子宮がんだけでなく、子宮筋腫や卵巣の異常などを発見するきっかけにもなります。
Q3生理中や妊娠中でもできますか。
A3 生理中は正確な判定ができないため、別日にしましょう。また、妊娠をすると初期の「妊婦健診」の中にこの子宮頸がん検査が含まれていることがほとんどです。妊娠中に子宮頸がん検査を行っても問題はありません。
Q4性交渉の経験がありませんが、受けた方が良いですか。
A4性交渉の経験がない場合、子宮頸がん検査は基本的には推奨されません。子宮頸がんは、HPVというウイルスの感染が主な原因です。HPVは性交渉を通じて感染するため、経験がない場合は感染リスクがほぼゼロです。また、前述した「内診」が未経験の方には身体的にも心理的にも負担を感じることがあります。ただし、家族に子宮頸がんの人がいる、不正出血などの症状がある場合は、まずは婦人科を受診して医師と相談されることをおすすめします。
Q5過去に子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)を打ちました。子宮頸がん検診は受けなくても良いですか?
A5 ワクチン接種と検診は役割が違うため、どちらも受けることが重要です。
まず「1次予防」としてHPV感染を防ぐためのワクチン接種があり、「2次予防」としてがんになる前の段階やがんの初期に発見するための定期的な検診があります。ワクチンはすでに感染していたHPVには効果がないため、過去の感染が原因でがんに進行する可能性がゼロではないので注意が必要です。ワクチンを打っていたとしても、2年に1回の検診をおすすめします。
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